応援団からのメッセージ ― 特定非営利活動法人シネマ・アクセス・パートナーズ NPO CAP(キャップ)
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応援団からのメッセージ

映画監督
平松 恵美子(ひらまつ えみこ)

開いている人々

CAPの皆さんとの付き合いが始まったのは、『武士の一分』(2005年山田洋次監督作品)からでした。私は山田監督の共同脚本と助監督をつとめていたことから、相談役のような形で音声ガイドの制作に関わることになったのでした。

『武士の一分』は世界的にも珍しい形──上映フィルムに音声ガイドを焼き付けるという試みを行ったので、私たち映画製作サイドのスタッフも非常な緊張感を持って音声ガイドの制作に向き合ったことをよく覚えています。

音声ガイドの原稿の書き手であるディスクライバーの方とも議論を重ね、モニター会も数度行い、頂いた意見に熱心に耳を傾けました。私にとってはいちいち新鮮な体験だったのですが、その時に「CAPの皆さんは、開いている人々なんだなあ」と強く感じたのです。

「開いている」。要するに、情報も意見も批判も感動も何もかもふるいにかけることなく一度は引き受ける、ということです。勿論、その後検討し取捨選択したりはするのですが、まずは引き受ける。ちょっと面倒くさいことなどもあるのに、決して拒否したりはしない。これはすごいなと、素直に頭が下がりました。

こうしてお付き合いが始まり、新旧含めた多くの山田監督作品で音声ガイドを制作してきました。また、私の初めての監督作品である『ひまわりと子犬の7日間』でも音声ガイドを制作する幸運に恵まれましたが、嬉しいことに最初に抱いた強烈な印象は変わらず、「今回も開いているなあ」と私は密かに心の中でにんまりしているのです。

そもそも映画というものは、全ての人々に向けて開かれたものであるべきで(もっとも、一部年齢制限などあったりしますが)、CAPの皆さんの「開いている」姿勢は、音声ガイドを作る上でも重要だし、観客の皆さんに届ける上でも重要です。同時に、私たち映画の作り手も見習わねばならない姿勢なのだと思います。

どうか、いつまでも「開いている人々」でいてください。映画を観たいと望む人が一人でもいる限り。
(2013年9月)

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映画監督
森 康行(もり やすゆき)

映画はみんなのもの

私は助監督の頃に、「映画はみんなのものだ。」ときいて育ちました。ところが、実際映画を作ってしまうと、出来上がった喜びでいっぱいになってしまい、目の見えない人たち、耳の聞こえない人たちに、この映画がどういう役割を果たすのかと考えることを、すっかり忘れてしまっていたんですね。

そんな時、ある視覚障がい者の知人に言われた「目が見えない人も映画をみたいのよ。」の一言が「映画はみんなのものだ。」という言葉の意味を思い出させてくれました。そして、音声ガイドをつけよう、字幕をつけよう、みんなで一緒に同じ映画を楽しもう。そのことが、皆が共に生きていく形になればいいと思い、映画「こんばんは」のバリアフリー上映に取り組みました。その過程の中で、目が不自由だからといって、できないとか、困難だということは決してない。人間の持っている力、内発力、というものは、本当にすごいものがある。私たちは、「見える」ということでその力を出し惜しみしているのではないかと、考えさせられました。目が不自由な方も、耳が不自由な方も、そうでない方も、一緒になって、いろんな形で交流していったら、もっとお互いに学び合えるのではないかということを、非常に強く感じたバリアフリー上映でした。
(2006年3月)

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声優・ナレーター
三石 琴乃(みついし ことの)

初チャレンジの副音声ナレーション!

普段の声優としての仕事は、登場人物の台詞を表情に合わせて喋ります。この時いかに役柄の心情を込められるかが勝負。ナレーションの時は、TVの映像を試聴者に理解してもらえるようポイントを立てつつ、極力抑揚をつけずに喋っています。

では、完成された映画に副音声を入れていく作業。俳優の台詞や音楽や効果音を邪魔せず、最小限の文言で状況や動作や風景を説明していく。目の見えない方に気持ちよく映画を楽しんでもらうには、一体どのように喋ったらよいのでしょうか?

…初めて手にした映画の副音声原稿。細かく色分けされタイミングが指示されています。タイミングと文言は決まっています。

実は私、もの凄く悩んでしまいました。

私も映画は大好き、映画は観る人のものだと思っています。観ている方の自由を邪魔しないよう、出過ぎず、かと云って淡白になりすぎずに映像を伝える…。私の感覚的なことですが、例えば声の音量や高低など、どう云った距離感で喋ったらいいのか全く掴めないでいたのです。

答えは出ぬまま迎えた収録本番。スタジオでは熟練されたCAPチームが、その的確さと素晴らしいセンスで私を導いてくれました。私は安心して仕事に集中出来ました。そして和やかな雰囲気の中、順調に収録は進んだのです。

後日、完成した映画のバリアフリー上映会に参加しました。初めて目を閉じてレシーバーの副音声を聞きながら映画を観ました。そして私の中に、喋り手としての新しい立ち位置が生まれたのです。それは「親の隣で一緒に映画を観ながら、状況説明すると云う距離感。」

映画副音声のナレーション収録は、今までにない発見があり新鮮で充実した時間でした。CAPチームの皆さんには本当に感謝しております。そして今後も、微力ながら全面的に協力する事をお約束致します!
(2013年10月)

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女優
倍賞 千恵子(ばいしょう ちえこ)

みんなで一緒に映画を楽しめるのは素晴らしい

「目の見えない人も映画を観たいのよ。」と云う視覚障がい者の田村啓子さんの一言からはじまり、映画「こんばんは」も視覚障がい者のみなさんと一緒に観ることができるようになりました。
シネマ・アクセス・パートナーズも立ち上がるとの事、私もこの活動に少しでもお役に立てればと思っています。

―バリアフリー上映会ゲストトークにて―
“ 私も目をつぶって映画をみてみました。そうすると映像が見えてくるんです。音声ガイドを聴きながら、自分が目をつぶって想像していた画面と、目をあけてみた時の画面とが一致しているんですね。それは、とても素晴らしいことだと思いました。みなさんと一緒に一つの映画を楽しめるということは、これほど素晴らしいことなのかと感動しました。”
(2006年3月)

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ロゴス点字図書館
館長
高橋 秀治(たかはし ひではる)

映画鑑賞が示す一つの共生社会

当館は昭和47年から年に1度チャリティ映画会を開催してきた。作品の選定は健全映画鑑賞会代表の西村淳夫氏にお願いして、第26回まで続けていただいた。西村氏が体調を崩されたあと、作品選定は、どぎつさがなく、清潔で暖かいストーリーで、見終わったあと爽やかさが残るもの、という基準で、専門家のご協力を得てこれまで続けてきた。

平成14年、この映画会に大きな変化が生じた。第31回目の作品は中国映画「山の郵便配達」だったが、この作品に視覚障害者も鑑賞出来るよう音声ガイドを導入したことだ。図書館では利用者に点字・録音図書を読んでいただいているが、映画に関しては利用者は楽しめないだろうと思い、チケット販売はどうにも気が引けていた。しかし、点字校正担当職員の須原から「楽しめる方法がある」という提案を受け、音声ガイドの導入に踏み切った。以降、チャリティ映画会には毎回音声ガイドを付けることになり、シネマ・アクセス・パートナーズさんをはじめとする音声ガイド関係者の皆さんに、いろいろ映画鑑賞のことでお世話いただいている。

映画のフィルムが音もなくシーンとして進んでいく時、その場面がどんな内容かを説明されると、視覚障害者の映画鑑賞上の空白はなくなる。勿論、利用者のイヤホーンに伝わる解説が、時に爆発的な音響によってかき消されたり、俳優の表情が20分前と今では、堅い表情がほぐれ穏やかな顔つきになっているという心理描写まで説明するのは容易ではなさそうだが、いずれこの壁も突破出来るのではないかと期待している。

音声ガイドは、無理とみられていた常識を覆し、映画の楽しみを視覚障害者にも開放したことに大きな意味がある。それは映像文化を広げることによって、共に生きる社会の実現のための一つの具体的な事例として深く寄与されていることでもある。いわゆる「障害者のための合理的配慮」とは、こういう活動を示しているのである。
(2013年10月)

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日本点字図書館
館長
天野 繁隆(あまの しげたか)

視覚障害者用音声ガイドの普及に期待

日本点字図書館は視覚に障害を持つ方々に点字図書と録音図書を長年提供してきた施設だ。

平成17年からはシネマ・アクセス・パートナーズの協力を得て、市販DVD映画の音声ガイドCDを全国の利用者に貸し出す事業を始めた。DVDと音声ガイドを同期して再生するパソコンソフトウエアを独自に開発して、視覚障害者自身が操作して映画を楽しむことが出来るものだ。劇場で見る映画は勿論素晴らしいが、家族そろって自宅で気軽にDVD鑑賞が可能になったことは利用者から歓迎された。

当館がシネマ・アクセス・パートナーズの協力で製作したDVD映画の音声ガイドは現在100タイトルを超えた。改めてシネマ・アクセス・パートナーズの活動とご協力に感謝申し上げたい。

字幕映画はすでに映画界では当たり前だ。一方、視覚障害者用の音声ガイドはまだ認知度が低い。テレビ放送についてもしかりである。製作が難しく時間も掛かるのは理解できる。しかし、映画の音声ガイドをここまで育て、「視覚障害者も映画を楽しむことができる。」を訴え続けてきたシネマ・アクセス・パートナーズ。恐らくテレビ放送の副音声にも新たな道を開く原動力になって行くだろう。是非ともこの世界にも風穴を開けて欲しいと願う。
(2013年9月)

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筑波技術大学
長岡 英司(ながおか ひでじ)

映像情報へのアクセスの拡大に更なるご尽力を

筑波技術大学・障害者高等教育研究支援センターでは、視覚障害学生の学習資料へのアクセスを支援するために、文部科学省の特別経費により各種の取り組みを行っています。その一環で、2010年度には、学習資料の保障の必要性や方法を全国の大学の教職員や関係者に理解していただくための啓発用ビデオコンテンツ『視覚障害学生の入学が決まったら』を制作しました。その制作では、不慣れな私たちにとって様々な苦労や戸惑いもありましたが、多くの皆様のご協力によって、目的に適った作品を完成することができました。

このビデオのナレーションは、視覚障害者の可能性を示す意味を込めて、点字使用者にお願いしました。誠実さを感じさせる落ち着いたナレーションは、映像やテロップと相互に補完し合って、このコンテンツの制作の意図を試聴者に十分に伝える役割を果たしています。しかしながら、画面からの情報が得られない視覚障害者は、そのままでは詳細やニュアンスを確実に理解することができません。

そこで、この映像資料に音声解説を付加することにし、シネマ・アクセス・パートナーズの皆様にご相談をしました。そして始まった実際の作業の過程では、ナレーションの僅かな合間に詳細な解説を挿入してほしいといった無理難題を多々お願いすることになりました。それに対して、的確な解説文のご提案や単語単位でのきめ細かい編集など、行き届いたご対応をいただき、優れた音声解説が実現したのです。このビデオを音声解説版で改めて聴取しましたが、映像が心の中に鮮やかに描き出される想いがしました。

学習資料に限らず、映像化された情報へのアクセスは、視覚障害者にとって大きな課題です。その解決の方向性を見出すための助けとして大いに期待できることからも、スタッフの皆様には、音声解説のノウハウをさらに蓄積、発展させていただきたいものです。
(2014年1月)

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特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会
理事長
岩井 和彦(いわい かずひこ)

みんなに優しいユニバーサルな番組作りを

特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)はシネマ・アクセス・パートナーズを応援します。

全視情協は放送事業者に「みんなに優しいユニバーサルな番組づくりを求めて「視覚障がい者向け解説放送開発に関する調査・研究」を進めています!総務省「平成16年度の字幕放送等の実績」では、解説放送の年間放送時間数はNHK総合276時間 41分(3.2%)です。視覚障がい者の情報入手手段の第一位が「テレビ」である(22万人/301、000人)という事実があるのにです。放送事業者にはテレビの前に視覚障がい者がいることを知っていただきたいものです。

視力が低下している高齢者もテレビを楽しむことができます。目の見える貴方も、音声解説が広まれば、調理中・入浴中・運転中でもテレビを「見る」ことができますね!
(2006年3月)

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埼玉県庁
総合政策部文化振興課ユニバーサルデザイン担当
三田 一夫(さんだ かずお)

世界に音声ガイド付き映画を

CAPがNPOとして、活動を広げられることを心からお喜び申し上げます。

埼玉県は、年齢、性別、国籍、身体的能力の違いなどにかかわらず、誰もが自由に、いきいきと活動できる社会を目指し、ユニバーサルデザインに取り組んでいます。平成17年、当時のシティライツさんの指導により、音声ガイドを作成するボランティアスタッフ22名が誕生し、CAPを目標に埼玉県内で活動を始めています。

さて、日本の映画は、在外邦人に限らず海外で楽しみにされているとお聞きました。文化の違いにより、台詞だけでは作者の意図をくみ取れない方もいらっしゃると思います。CAPが日本にとどまらず、世界に音声ガイド付き映画を広めて頂くことを希望してやみません。
(2006年3月)

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配給会社 パンドラ
代表取締役
中野 理恵(なかの りえ)

地道に息長く、 副音声付き映画の上映活動続けて

シネマ・アクセス・パートナーズの前身シティライツの活動を知ったのは5年ほど前だったと思う。ブータン映画「ザ・カップ 夢のアンテナ」の公開(2001年)前に、副音声付きで試写会を実施した時だったと記憶している。ガイドを製作する際にきちんと著作権に配慮をしていることで、映画を大切にしている人たちだと思った。パンドラは外国映画が主な配給作品だったので、副音声付き上映には、日本語吹き替え版の製作を第一条件としなければならず、次の機会をなかなか作れなかった。だが、聴覚・視覚障がいの人たちにも映画を楽しんでもらいたい、との思いはずっと持ち続けていたので、2年後には日本初の商業劇場での副音声上映を実現させることができた。その際にシティライツさんに協力していただいた。改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

日本映画に字幕をつけることはすでに抵抗なく映画界でも受け入れられるようになってきている。一方で視覚障がい者を対象とする副音声付き上映の場合には、設備面でクリアしなければならない問題が多いため、一般化には時間が掛かっている。シティライツのこれまでの活動が、副音声付き上映の一般化に寄与した部分は大きく、今回NPO法人シネマ・アクセス・パートナーズを設立して、今後はいっそう重みを増すことだろう。ぜひ地道に息長く活動を続けて欲しいと願っている。
(2006年3月)

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有限会社 コミュニケーション・コアワークス
代表取締役
渥美 雄一郎(あつみ ゆういちろう)

目標を共にする、心強い援軍

CAP設立おめでとうございます。志しを同じくする仲間として、今回のNPO法人化を心より喜んでおります。私共のコミュニケイションコア・ワークス社(COCOWO)も視覚/聴覚障がいの方に、映画/DVD/TV番組などをストレスなく楽しんで頂けるよう、そしてそれをマーケティングの視点からも各映画配給会社様、DVD/ビデオメーカー様が社会的な意義を感じて頂けるよう橋渡しを行いながら音声解説、日本語字幕、DVDボイスメニューを制作、導入しながら、その普及に努めております。

CAP そして COCOWO が取り組んでいること、これから行おうとしてることは、社会的に必要であると思われていながらも、まだまだ認識の度合いから言えば一般的なところまでは浸透していません。それには様々な理由があったり、妨げとまでは言えませんが高い障壁が、例えば経済的であったり、考え方の相違などで存在したりします。それらを乗り越えていくには緩やかな歩みであるかもしれませんが、一つ一つを紐解いていく努力が必要です。そうした努力は、一つの志しから拡がる仲間たちによって活力を産み出したり、支えられながら、成し遂げられるものだとも思います。

今回のCAPの設立は、我々にとっても心強い援軍ができた思いです。それは果てしの無い荒野で不毛な戦いに臨む友軍ではなく、目的を共にして、行ってることの価値を崇めあえる仲間であると信じています。
(2006年3月)

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シネマイクスピアリ
フィルムブッキング・マネージャー
杉山 昌子(すぎやま まさこ)

至福のひとときを共有するために

知らない人同士が劇場という空間に偶然集い映画鑑賞という体験を共有する。
時にはその共有体験がそこにいる多くの人たちを魅了してしまう。

そして劇場中にその感動の空気が溢れて、得も言われぬ感覚に包まれる。

そんな時に映画鑑賞が至福の体験へと変わります。

私が初めて音声ガイド付き映画鑑賞と出会った時に、まさにこの至福のひと時を体験しました。私が仕事をする上で「いろいろな映画をいろいろな方に映画館で見て頂きたい」という想いがありますが、音声ガイド付きでの上映がもっと普及すれば、この至福の体験をする方がもっともっと多くなります。その為に映画の見方をもっと変化させていくべきだと思います。
(2006年3月)

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